DON'CRY -ドンクライ-

アニメやマンガ、ゲームに小説、音楽など、「作品」によって孤独から救われて生きている人のためのメディア

少年時代、公園で拾えなかったエッチな漫画をSNSで探してみた

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(出典:Aaron Burden on Unsplash)

どうも、佐伯ポインティ@boogie_goといいます!

もともとコルクというクリエイターのエージェント会社で漫画の編集者をしていたのですが独立し、今は“エロデューサー”を名乗り、 「男女楽しめるエロスのあるコンテンツ」をつくる活動をしています。 

DON’CRYは、「オタク」と「孤独」をテーマにしたメディア。孤独、と聞いて思い出すのは、学生時代の頃の話です。 今でこそ、“エロデューサー”なんて表立って名乗ってますが、 小中学生の頃、エロいことへの興味を隠していました。

近所のお兄さんに借りた『らんま 1/2』を持ってる事を隠したり。 授業中、辞書でエロい単語を調べまくってるのに、素知らぬ顔したり。 ビデオ屋の18禁コーナーの付近でDVDを見るフリして、隙間から覗いたり。 塾の行き帰りにエロ漫画を表紙だけ読んで、ビビって買わずに帰ったり。(中学生の終わりから、学食の素うどんにして、浮いたお金でエロ漫画を買いだすようになるわけですが。) 

小さい頃って、エロいことへの興味はめっちゃあるのに、 まわりに言うとヤバい気がして、話せなくて、凄く孤独ですよね。

今回はそんな僕が、極めつけ孤独を感じた、 公園でエロ漫画に興味があったのに拾えなかった時のことを書きます。

 

ボーイ ミーツ エロ漫画。

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(出典:Jess Johnson/Flickr)

小4の放課後、よく高速の下にある公園で遊んでいました。そこは遊具は少ないので、メインの遊びは探検することでした。

ある日、5人くらいで探検していると、 公園の奥の茂みに、エロ漫画が落ちていたのです。

エロ漫画 in 公園 featring 小学生。

静かな興奮と緊張が、探検メンバーに広がりました。 

うぉおおおおお読みたい!!!

...が、ここで読むと、エロいやつ認定を食らってしまう......

明日のクラスで地獄のように言われまくり...... 同じクラスいる女子には引かれ...... あだ名が「エロマン」になり...ゆくゆくは先生に呼び出される...

でもめっちゃ拾いたい...中身読みたい......

小学生とエロの組み合わせは、本当に難しいのです。勃起の概念すら知らない小学生は、エロは忌むべきものだと思っているので、「興味がある」とバレた瞬間にアウトなのです。

そう、エロマン=死なのです。

思春期に、皆の前で「公園のエロ漫画に興味をもつ」ということは、数年間の迫害にも繋がりうるかなりデンジャーな行為。...というか、きっとみんなそうでしたよね? しかし、発見したという事実は動きません。

平和な空間に突如現れた異物によって緊張が走るなか、 探検メンバーのうち空気が読めないひょうきん者が「わ!!エロ本みっけ~!!」 と、探検時の必需品の木の棒でこちらに寄せました。ナイス!!!

どう考えてもナイス。彼はとてつもなく偉大です。 タイムスリップして褒めてあげたい。

【あくまでも興味は全く無いけど、探検で見つけてしまった変なブツだから読む】

という誰も「エロマン」にならないコマンドにたどり着き、「うわなにこれww」という、全員が覗き込みながら読み始める流れになりました。

しかし、そのエロ漫画は、僕らの想像を遥かに超えるエロさを誇っていたんです。

 

これが、マジのエロス…。

アイドルらしき子に、本来ならば歌うための道具であるマイクロフォンが、ごっそり挿入されていました。 会場には、いやらしい音が響いて聞こえてしまっています。

そして、それまで見たことのなかったちんぽの生えたアイドルが登場していました。

馬から角が生えたら、ユニコーン。

女の子からちんぽが生えたら、ふたなりです。

マイク挿入とふたなり。グラビアで興奮しちゃうような小学生だった当時の僕には、大きすぎる衝撃でした。

おいおい...こんなの読んだことないぞ... なんかよくわかんないけど...ドキドキする......... 今まで俺がみてきた水着とかグラビアって、なんだったんだ...

エロ漫画って、エッロい......今までのとは明らかに別物...あ...ズボンが痛いくらい張ってきた......

あまりの衝撃なのか、14年もの年月を経たからなのか、 断片的にしか覚えてないのですが、とにかく、今までエロいと言っていたものとは全然別の角度の、ドッエロい漫画だったのです。

今思えば、サトシが旅の初日にホウオウを見るくらいの素敵な出会い。ですが、雑誌のグラビアでも「わっひゃ〜」となる当時の僕らにとって、その漫画との邂逅は、 冒険初日のホビット達が“暴王”バハムートに遭遇するようなものです。ヤバすぎです。

 

覚えていない、でも忘れられないあの本の名は。

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(出典:Kamil Porembiński/Flickr)

 すぐに「うわ〜〜やっべ〜!キモっ〜!」とか言いながら探検隊は捨てたのですが、 僕は、(す...凄いものを見た...明日もう一度、拾いに来よう...)とクラクラしながら思っていま した。

しかし、翌日にはその漫画は失くなっていたのです。

ない。

近くの草むらやゴミ箱を探してみても、ない。絶望です。生まれて初めての絶望だったかもしれません。

いくら探しても、エロ漫画はみつかりません。 そう。あれは、お金で買えないものだったのです。 山崎まさよしの『One more time,One more chance』の気分です。

また、探してたことがバレるとアウトなので、結局誰にも言えませんでした。 「あれさ、どうなったのかな...。」そんな会話もせず、卒業しました。

...時は流れ、僕はエロデューサーになりました。 エロいことを好きになった日々のことを考えているうちに、 拾えなかったエロ漫画のことを思い出してハッとしました。そして思ったのです。

あのエロ漫画に、もう一度出会いたい!!!!

手がかりは、

「アイドルがマイクを挿入され、会場にゴンゴン音が響き渡る」 「ふたなりのアイドルがいる」「複数のアイドルがいる」

といったぼんやりとした要素だけ。もちろん、この要素も確かではありません。

しかし!今は、SNS全盛期の、2018年。 Twitterで募集すれば、ヒントが得られるのでは...?? さっそくツイートします。

そしたら、すぐにリプライとDMが!!! なかでも心強かったのは、『エロマンガ表現史』を書かれた、美少女コミック研究家の稀見理都@kimirito)さん。

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(出典:太田出版)

DMをくれた方や、稀見さんの探偵のような洞察力によって、作品の候補が絞れました。

  •  『清純少女』松本剛史
  • 『シャイニング娘。』(1)~(6)師走の翁
  • 『パレードパレード』あきふじさとし

...エロ漫画を探すこととは、登山のようなものです。 登る山が険しければ険しいほど、探すのが大変なほど、登りきったときのエクスタシーは大きくなります。

だから僕は、途中であきらめて下山(ギブアップ)することはありませんでした。

そして...

ついに!!!

ついにたどり着きました!!!!

シャイニング娘。』vol2 だ~~~~~~~!!!!!!

※ 残念ながらここにはページが掲載できないので、読みたい方はこちら

 

ずっと好きだった。

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(出典:Amazon/ヒット出版社; 改訂版 (2002/11))

今読んでも、フルボッキオブザイヤーもののエロ漫画。これを小学生の時に喰らっていたら、完全にフルボッキモンキーになっていました...。

『シャイニング娘。』にたどり着いて感動したのが、 僕が一番好きな(かつ抜いてる)エロ漫画家が、 師走の翁先生(@siwasunookina)だということ。

実は、社会人になり、仕事のストレスからエロ漫画を買いまくっている時に出会った『ヌーディストビーチに修学旅行で!!のハッピーで楽しいエロスと身体のエロすぎるクオリティに衝撃を受けて、師走の翁先生が大好きだったのです。

精装追男姐』は画期的アイデアがヤバいし、『ピスはめ!は最後アツくてエロい展開がある し、『アイブカ!(仮)は前半と後半の視点の入れ替えの構成が素晴らしいし、『エロ♥ピッピ』はどの短編も没入感が凄い...とにかくエロすぎる名作ばかりなんです!!!

まさか、読んでいなかった『シャイニング娘。』のシリーズに、思い出の一作があるとは!!!

逆に、小学生の時の衝撃が脳の奥底に残っていて、 今の僕のエロ漫画の好みを形成していたのかもしれません。

感動です。 山崎まさよしからの、斉藤和義の流れです。ずっと好きだったんです。

孤独だった時があっても、ネットがあれば繋がれる。

誹謗中傷とか炎上とか、嫌な面ばっかりクローズアップされるけど、いい人も、面白い人も、エロ漫画に詳しい人も、沢山いる。思い出に出会えて、お金で買えないものが手に入るかもしれない。素敵な時代になったな...。

ふぅ...腰のダルさと満足感を感じながら、小学生のとき、エロ漫画が気になって仕方なかったのに、 友達に全く言えず、あんな漫画が気になるなんて、自分がおかしいのかな...という、相談しようのない孤独を感じていたのを思い出しました。

昔の孤独だった僕も、報われたと思います。

タイムスリップして、ゲットできなかったエロ漫画、ゲットできたぞ。

お前、エロ漫画好きで全然大丈夫だぞ。

そう昔の僕に言ってあげたいです。

みなさんも、ぜひ、思い出の一作をネットで探してみて下さい。 きっと、昔の自分と繋がれると思います。

さて、いい雰囲気になったところで、この記事を終えて、 もう一度『シャイニング娘。』をオカ...読みたいと思います。

それでは、またDON’CRYでお会いしましょうね!

書いた人:佐伯ポインティ

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