突然ですが、漫画に出てくる人物って、キャラが立っていて、うらやましくないですか?
捨て身で仲間のために戦う熱血漢だったり、クールな知的キャラだったり……
対して、僕らは、めちゃくちゃキャラぶれまくりです。
漫画のキャラのように「自分はこういう人間だ!」とはなかなか言い切れません。
でも、漫画を読んでいて、無性に心惹かれるキャラっていませんか?
かっこいいとか、かわいいとか、そういう感情を超えて「こいつは俺だ」って思えるキャラ。
もしかしたら、そんな「推しキャラ」を何個かあげて、その共通点を探っていけば、自分の一番大事な価値観が見えてくるんじゃないでしょうか?
そこで、今回はそんな「推しキャラ精神分析」を、ドンクライ編集部でやってみました!
参加者
ノダショー:DON'CRY編集長。マンガ『彼氏彼女の事情』を聖書のごとく毎月読み返している。
佐伯ポインティ:DON'CRY編集部員。エロスが大好き。趣味は猥談。
稲田ズイキ:DON'CRY編集部員。童貞の僧侶。将来の夢は娘とプリキュアを鑑賞すること。
カエデ・ワタセ:DON'CRY編集部員。Vtuber狂い。
今回のルール
今回はあらかじめ編集部員には、キャラ数の多い『ONE PIECE』『HUNTER×HUNTER』『シャーマンキング』の3作品から「推しキャラ」を考えてきてもらっています。
はたして、推しキャラの共通点をあげていくと、価値観を分析することができるのでしょうか??
1人目:ノダショーの推しキャラ
「表情筋が死にがち」と言われることが多い編集長のノダショー。彼の推しキャラは、こうなりました!
うーん、僕の推しキャラはこれかなぁ……。
あーー
え、これ何の「あーー」なの? もう分かったの?
全体的に、影があるね〜
実は心に闇があるキャラばっかだ
でも、ナミは闇って感じでもなくない?
あーわかった!家庭環境に何かしら問題があるキャラだ!
たしかに(笑)
ナミは自分の親がいないし、義理の親のベルメールさんも殺されてるし。
キルアも蓮も家がストイックすぎてヤバイしな。
言われてみれば、そういう家族関係に問題があるキャラは好きかも……。
わかった、『NARUTO』めっちゃ好きでしょ!
あ、好き(笑) サスケがナルトに「親も兄弟もいない、初めから独りだったお前に、それを失った俺の孤独はわからないだろ!」とか言って、「孤独マウント」を取り合ってしまうところとか、すごく分かる…
我愛羅もいるし、ネジとヒナタの「家系」の問題もあるし、少年漫画の中でも家族関係複雑めのキャラ多いよね。
あー!わかった。『僕のヒーローアカデミア』だと、轟焦凍でしょ?
うわーそうそう!!! 今、アニメ3周目してて…もう、好き…。轟は両親の不仲と、父親から過度のプレッシャーを与えられて、他人も自分も信じられなくなってるの。
轟くんの父親、モラハラ親父すぎるもんね…読んでてヤバさを感じる…
アレ、父親にすごく似てて…。学生時代、目標を達成できたら、今月の小遣い+αを支給して「流石俺の息子だ」って褒めてくれて、できなかったら0円で「お前はもう俺の息子じゃない」って言われたり。
つら…
ノダショーのベストシーン
「このシーンが一番ベスト!」とかある?
それこそ『僕のヒーローアカデミア』の轟焦凍 VS デク戦!
めっちゃ熱いシーンだ…
主人公のデクにネガティブな生い立ちごと肯定されて、自分を受け入れるきっかけになる…何回見ても泣いちゃう…。
「浄化」みたいな体験、好きだよね?
……すき。たぶん、心が淀んじゃってるんだよね。
おお……。
なぜか昔から、草原とか海とか見たら心が落ち着くし……。
早急にドンクライのモンゴル支部を立てた方が良さそう。
こういうキャラってプレッシャーを与えられて育ってきたから、厳しくて現実的なんだよね。でも、ホントはそれを超えてこっちの心に踏み込んできてくれる「ヤバい仲間」が欲しい。ルフィとか、ゴンとか。
じゃあ僕らがその「ヤバい仲間」という認識でいいですか?
……そうだね///
2人目:佐伯ポインティの推しキャラ
先ほどのノダショーとは対照的に、常に顔がにやけてるポインティ。彼の推しキャラは、こうなりました!
あーーーー
えへへへ(笑顔)
思考回路がちょっとイカれてるキャラが多い気がするな。
ちょっと待って、ルフィに共感できる人、この世に存在すんの?
ルフィって、新しい島を目の前にしたとき、ナミが「聞いて!あの島は危険よ!」とか言っても、全部無視するじゃん。
するする。ああいうところ見て、ルフィやべぇなって思ってる。
またコイツは…って思ってる。
俺、めっちゃ共感するもん。「今そういうセリフを聞きたいタイミングじゃないんだよなぁ〜、一緒にワクワクすればいいのに〜」って思うし。
分かった、興味とか快楽にパラメーター全振りしてるキャラってことだよね?
そうね、面白いと思った方向にまっすぐ行くキャラ!
ジンはどうなの?
ジンって自分の子供(ゴン)がいるのに、会わずに遺跡とか冒険してるじゃん。追ってくるだろ、みたいな。あれはめちゃくちゃすぎるけど、気持ちはめっちゃ分かる。
好きなことに対して制約がないし、特段仁義とかもないってことだな。
メリットを感じられる部分以外は、だら〜って力抜くんでしょ? 麻倉葉じゃん、それ!
そうそう。葉は、「仲間と楽しいことしたい」ってところにあるからね。そこは近いかも。楽するために労力をかける瞬間はあるけど、なるべくゆるくいたいよね〜。極力、頑張りたくない。
葉って全然本気になって戦わないもんね
「はよ剣抜け!」ってめっちゃキレながらシャーマンキング読んでるわ俺。
『BLEACH』だったら京楽春水好きでしょ?
そう!一人だけ卍解が「鬼ごっこ」とかだからね。楽しそうなところとか好き(笑)
佐伯ポインティのベストシーン
俺がダントツで好きなのは、ジンが選挙編のときに言った「道中楽しみたい、それだけさ」っていう台詞。
俺、そのシーン「は?なにこいつ」って思った!
人生に大した意味とか目的ないけど、どうせ生きてるなら、道中楽しもうよーって思ってるから。居酒屋の飲み放題と一緒、生きてる間は楽しみ放題!
そういえば、ヒソカも言ってたけど、意味ある嘘をつくタイプと、意味ない嘘をつくタイプがいて、ポインティは意味ない嘘をつくタイプでしょ。
楽しい嘘は…ねえ…?
ニヤニヤやめい!
スポーツ漫画とかどんな気持ちで読んでるの?
「あ〜頑張ってんな〜」って思って読んでる。そもそもあんま読まないけど。
少女漫画を男子が読んで、「女子ってこういうこと考えてんのかー」ってなるのにもはや近いね
相手に対して心の底から申し訳ねぇって思うことなさそう…
相手が求めてそうだから、謝るとかはあるけどね。別に反省しなくても死なないし…
ニヤニヤすな!
ルフィって「申し訳ねぇ」とか言わないもんな
3人目:稲田ズイキの推しキャラ
ルギアでオナニーしている記事を書いたり、体を張った記事を書いている稲田。彼の推しキャラは、こうなりました!
見た感じ、単純熱血タイプっぽい。
熱血なんやろか……
仲間の中だと能力的に「弱い奴」が多いな。
そう!そうなの!自分が弱者だと自覚ある奴が好きなの!
たしかにウソップもレオリオもホロホロも、仲間内だと3番手、4番手だね。
でも、弱者の気持ちがわかるから。それゆえに優しさがあるキャラだけどね
ウソップなんてさ、マイルドヤンキーの能力おばけの中に一人入れられて、皆が「あー飯ウメェ!」とか言ってる間に火薬とか詰めてんだよ。ルフィは知らないでしょ?この悲しみ…
ウソップへの感情移入がすごい。
あと、なんか全員命削って戦っている感じがするね。ボロッボロになるイメージ。
そう!人生で一度だけでもいいからキラッときらめく瞬間があるのが好きなんだよなー!
あんまり強くないキャラが命を張って戦うシーンはたしかに熱いね!
たぶん、俺は「死にたい」願望が強いんだよね。ポケ〜と生きているんじゃなくて、一瞬でもいいから輝いて早く死にたい。
かっこいい死に様を見せるってことね〜共感できないけど理解はできた。
稲田ズイキのベストシーン
一番好きなのは『ONE PIECE』でいうと「ウソップ VS Mr.4」の戦いかな〜。
ウソップが4トンのバットで頭を振り抜かれるやつだね。『ONE PIECE』の中ではかなり見てて辛くなるシーンだった……
ウソップの頭蓋骨がピキって割れたりね。ああいうの見ると、「おお!命張ってる!」って思ってテンション上がる。
マゾ感あるね〜〜!
その後、血だらだら流しながら、弱者なりに戦略を練って戦うじゃん。ああいうのめっちゃ好きなんだよね!!!
じゃあさ、『幽遊白書』だったら「桑原和真」推しでしょ?
めっちゃ好き!
もうわかった。稲田の好きなキャラ、顔からいけるわ。
は?
『ONE PIECE』だったら、ヒルルクとかも好きでしょ?
……好き。
「原人顔」って感じ。なんか、稲田もそう見えてきた…
汗臭い顔。
『NARUTO』だったら、チョウジ……?
『ブルージャイアント』だったら玉田。
『キン肉マン』だったら、ジェロニモ。
顔から推測すな!
強いキャラじゃないから、デザインがどうしても人間っぽくなるのかもしれないね
ちゃんと内面を見て選んでいるつもりだったけど、俺、顔採用してたんか?
顔採用って(笑)
4人目:カエデ・ワタセの推しキャラ
室内なのに、グラサンを外さない明らかな変人。カエデの推しキャラはこうなりました!
圧倒的に偏りのある人選のような気がする……
「力」が共通してるね〜
圧倒的な力でねじ伏せてくるキャラ。
そうだね、力だね。
ゾロから分析すると「強くなりたい」っていう願望も持ってそう。
『ONEPIECE』でいったら、黒ひげはちがうの? あいつも力に貪欲だけど。
あれって、ズルでしょ。黒ひげって他者の能力に依存してるから、自分自身の力じゃないよね。
独自の「力の美学」を持っている……
なんでそんなに力に惹かれるんだろうね?
俺が弱いからじゃない? だから最近筋トレしてるし。
え、待って、「力」って筋力のことなの?
筋力は大事だよ。筋力がないと人は生きていけないもん。
初めて聞いた…
そう?自分の人生のパフォーマンス量と筋肉は絶対関係してるよ。
知力も筋力で上がる?
知力も筋力で上がる
この人だけすでに漫画のキャラみたいになってるやん…
筋トレって努力と結果が出るからわかりやすい。その成功体験を勉強にも応用していけるんだよ。
一旦筋力から離れましょう。
カエデ・ワタセのベストシーン
俺のベストシーンは、『ハンターハンター』だとネテロ会長を倒すところだな。
メルエム側で「倒す」って語る人、初めてみたわ。
メルエムは圧倒的なんだよね。ネテロが感謝の正拳突きとかやって、劇中で最強とされてたキャラが、全然歯が立たないんだよね…「百式観音の零式」も効かないんだよ…やばいよね…
そこでテンション上がるんだ!ウケる!
圧倒的すぎるんだよ。本当に強すぎて何の言葉も出ない。でも、この強さって、向かう先があってそこに進んだからこそ、たどり着いていたものだと思うんだよね。
力を求めるのにも理由がある……?
そう。自分のやりたいことがあって、そのために強くなる。俺の好きキャラは純粋にそれだけなんだよ!邪魔な障壁は、乗り越えるんじゃなくて、ぶっ壊すのがいい。
あ、わかった!『ジョジョ』だと、DIOでしょ!!
『幽遊白書』だと、戸愚呂弟だ!兄ですら邪魔だったら殺すあの感じ。
そうやね。あと、『ハリーポッター』だったらヴォルデモートやね。
ヴォルデモートに共感できる奴、いんの!?
ヴォルデモートには純粋に目標があるんだよ。
ヴォルデモートの目標って何なの?
死んでしまったから、復活してこの世界をもう一回やり直すってことだよね。あと、物語の後半は「自分が最強だということ」を証明するために戦ってるんだよね。
ヴォルデモート側の事情、初めて今意識したわ。
ヴォルデモートの何がすごいかって、『ハリーポッター』はあんな巻数なのに、あいつだけ最後まで死なないんだよ。だから、強いなって思った。
作品内での「強さランク」のトップが好きってことだよね。
「作品内における最強」はラスボスが多くて、最終話で主人公に負けちゃうことが多いけど、そういうのだいたい偶然が重なって負けてるからね。だから好きなキャラはラスボスになりがち。
じゃあ、漫画じゃないけど『グレンラガン』やったら、アンチスパイラルになるわけ?
うん。
まどマギだと「ワルプルギスの夜」?
そうなるね。
もはやキャラじゃなくて「現象」やん…
それぞれの相性は?
推しキャラを分析していくことで、メンバーの価値観が明らかになってきましたが、それぞれの相性はどうなのでしょうか?
いや〜被らないもんだね〜
よくこのメンバーで編集部がまとまっていられてるな、と思った(笑) 僕らの飲みの席をハンターハンターに置き換えるなら、キルアとレオリオとジンとメルエムで乾杯だよ(笑)
俺はDON'CRYのメンバーの各々とは相性がいいことがわかった!ナミとウソップとゾロだもん!
例えば俺とポインティはよく言い合いになる(※実際はノダショーだけがプリプリしてる)けど、思考回路不可解な人と、実は現実的な人で最終的には相性いいもんね。
俺も、まだ誰も障壁にはなってないから大丈夫。障壁になったらぶっ壊すけど。
怖いからやめて。
でも、相手の推しキャラを知ると、「こうありたい!」っていう気持ちがわかって尊重できるし、同時にその人がどんな「弱さ」を持ちやすいのかも知れたのがよかったな。そこはフォローしあえる。
この診断すると、その人に紐づいて他の漫画のキャラも同時に思い浮かんでくるから、より「人物像の解像度」が上がるよね〜!
稲田を見たら、ウソップとかレオリオとかああいう猿っぽいイメージ出てくるもん。
猿のイメージやめなさい…。
あと、気づいたのは、作品を人にオススメしやすくなるよね!
あー!たしかに!
「この作品、あなたが絶対好きなキャラが出てくるから読んでみて!」って言えるもんね。
・・・ということで、今回実施した「推しキャラ性格診断」の成果をまとめると、こうなりました!
その人の理解が深まるのはもちろんのこと、好きなキャラを話すだけでも、すごく楽しいし、盛り上がること間違いなしです。
このゲームは、オタク同士の飲み会や、イベント最初の自己紹介タイムなどで、活躍できるのでは?
キルアが好きな人は轟焦凍が好きだったように、「〜が好きってことは、〜が好きなんじゃないの?」という風に推測し合って、オタク話に花を咲かせてみてはどうでしょうか?
では!
撮影協力:Cafe Hammock
撮影:Masayuki Hirota(@yukino377)
出演:DON'CRY編集部(@DONCRY_mag)
ノダショー(@nodasyo03)
佐伯ポインティ(@boogie_go)
稲田ズイキ(@andymizuki)
ワタセ・カエデ(@kaede06)
書いた人: