僕たち私たち、生きづらいオタクたちの心を鷲掴みにした作品、『宇宙よりも遠い場所』通称『よりもい』。
イベントも行った本作品を3日に渡って振り返ります。
第2回は編集長のノダショーです。
最終話も最高でしたね。本当にいいフィナーレ。今日はずっと彼女たちの10年後の妄想をしてた。日向ちゃんはきっと弁護士。異論恋。ってそんな話はいいんだよな。俺が話したいのはとにかく11話なんだ。
何でこんなに泣いちゃうの?
泣く。11話と聞いただけで日向の「しらせ…ぇ〜〜〜…」の泣き顔がフラッシュバックして涙腺をダイレクトアタックしてくる。もう多分10回くらいこのシーンを見直してるんだが毎回泣く。
俺の涙腺なんかバグってるの?遺伝子に何か組み込まれてるんじゃないかってくらい精緻に毎秒0.5mlの涙を流してる。顎をガクガク震わしながら、うえっ…うえっ…って嗚咽がとまんねぇんだよ。
でも、脱水症状になりかけながら鼻水をスコッティしてると「何でこんなに泣いちゃうの?」って疑問を持たずにはいられねぇんだ。
傷つけられて怒って欲しい
私は日向と違って性格悪いからハッキリ言う。あなたたちはそのままモヤモヤした気持ちを抱えながら生きていきなよ!人を傷つけて苦しめたんだよ。そのくらい抱えて生きていきなよ!それが人を傷つけた代償だよ!私の友達を傷つけた代償だよ!
しらせちゃんのこのセリフを書き出してるだけで涙こらえた喉の筋肉が痙攣してんだけど、特に破壊力が高いのって「私の友達を傷つけた代償だよ!」の部分で間違いない。
ここでダムのギリギリまで水量が急増して、呼応するように日向ちゃんの泣き顔でンドバアァーーー!!!ってなるんですわ。こんな神コンボなら1万発でも喰らいたい。
それで、これがこんなに効いちゃうのって、心のどこかに自分が傷つけられたことで、誰かに怒って欲しいっていう気持ちがあるんじゃないかって思うんですよ。
人間そんなに抱えらんない
『よりもい』に限らず、だいたいキャラが親友のために「アイツはなぁッ!」ってブチ切れるシーンで俺は泣いちゃうんだけど(『ここさけ』の野球部の親友とか)、それってやっぱ願ってるんだろうな、って思うんですよ。誰かが自分のことを見てくれていることを。
大人になると気づいてくるんだけど、「自分」って意外とショボいんですよね。自分1人じゃ仕事なんかできないし、絶対誰かと協力しないとうまくいかない。
そして、自分ほど他人は「自分」に興味がないことにも気づく。駄々をこねても始まらないし、飯は食わなきゃ生きてけない。利害関係もパワーバランスも考える。
だから折らなきゃいけない信条だって出てくるし、理不尽に対しても「しょうがないよな」って思いながら今日も生きてる。
でも、本当は「しょうがない」わけないんだよな? 理不尽に対して、「理不尽だ!嫌だ!」って叫びたいんだよ。もっと大事にしてくれよ!って思ってんだよ! でも言えない。弱いから。「自分」はこんなにも小さく、折れて凹んで打ち捨てられる。その悔しさに、自分自身が潰れていく。
だから、そんな弱い「自分」をせめて誰かに見ていて欲しいんだと思う。怒って欲しいんだと思う。抱えきれずに手放した大事なものを拾い直して、「それはコイツにとって大事なものだったんだよ!」って怒鳴って欲しいんだ。
しらせちゃんみたく泣きながらでも、「ざけんなよ」って。
「自立とは、依存先を増やすこと」
こんな名言があるけど、それってつまるところ、自分がまっすぐ生きてたら、衝突するたびに落としてしまいそうになるものを、「ざけんなよ」って拾いながら怒ってくれる味方をたくさん作るってことなんだと思う。
完璧な人間なんていないし、「自信を持て!」なんて言われてもどうすりゃいいのか分からない。
なら、まずはたまりや日向みたいに信じられそうな奴を見つければいいんだろうな。そしたら、なんか向こうも信じてくれるようになって、「あ、自分って信じてもらえるんだな」ってようやく自分を信じられるようになるんだと思う。これでカミナが浮かんだ奴はツイッターで僕と握手。
そんなわけで11話で泣いちゃう奴超わかる。超好き。DMください。飲みに行こうぜ。しらひなは正義。ではまた
画像の出典:アニメ『宇宙よりも遠い場所』公式サイトより
書いた人:ノダショー