DON'CRY -ドンクライ-

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コミュ障でも20人のオフ会を9500人に! Re:animation(リアニ)オーガナイザー ちへ氏インタビュー

2日間で9500人を動員する、アニメ・音楽業界でも屈指のDJイベントがある。
その名は「Re:animation(リアニメーション)」!

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60人以上の熱心なボランティアが動き、クラウドファンディングをすれば1000万円以上の支援を得る…。
そして、そんな台風のように勢力を拡大し続けるイベントの中心には、1人の男がいた!
彼の名は杉本真之。愛称、「ちへ」。
たった20人から始まったアニメ『交響詩篇エウレカセブン』のオフ会を、9500人の一大イベントまで成長させた仕掛け人である。

今回、そんなちへさんのもとに伺ってお聞きしたのは、オタクになってアニソンと出会っていく過程や、20人のオフ会がどう9500人のイベントに成長していったのか、メジャーになっていくことへの隠された痛みと覚悟、そして挑戦など。

ものづくりの裏にある熱い想い、そしてその更に裏にある「人生」というドラマまでお聴きするドンクライのインタビュー企画!
今回も、心に火がつくお話をお届けします!

アニソンとの出会いと感動!でも、バカにされた

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——本日はRe:animation(以下「リアニ」)オーガナイザーであるちへさんの過去から、リアニに至る現在まで、その人生を語っていただきたく…! 何卒、よろしくお願いいたします!

よろしくお願いします!

——そして、リアニ10の大成功おめでとうございます!

ありがとうございます! おかげさまで、2日間で9500人の動員と、過去最大になりました。

——いやぁ、凄いですね! もはやアニソンDJイベント最大となっていますが、こういうイベントをやられていることですし、ちへさんは昔からアニメやアニソンがお好きなんでしょうか?

そうですね、オタクになったのは中学からです。一番好きなアニメは『マクロス7』ですね。

では、アニソンとして意識して聞いたのも、『マクロス7』からということですか?

そうですね。とはいえ、僕は並行して洋楽・ロックもめちゃくちゃ好きだったんです。初めて買った洋楽のアルバムはBONJOVIの『CROSS ROAD』っていうベストアルバムだったんですが、その後すぐ、ニルヴァーナとかのグランジ/オルタナ・ロックに移り変わる時代がまさに中学生。そういうCDを買い漁っては聴きこんでいました。

——なるほど、純粋に音楽好きでもいらっしゃったんですね。

ええ。でも、ハマっていた『マクロス7』の2ndアルバム『Second Fire!!』を同時期に買って学校に持って行ったら、バカにされたんです。

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——うおぉ、洗礼ですね……。

当時はCDを学校で貸し借りするのが当たり前という文化だったんですが、洋楽はバカにされないし、J-POPもそうだった。
でも、アニソンはジャケットがアニメというだけでバカにされて、その時に「オタクってバカにされるんだ……」って初めて知ったんです。

——アニメやオタクは偏見の目で見られて、肯定される雰囲気ではなかったんですね…。

ええ。「中学生にもなってアニメを見ていること自体が変」っていう空気を初めて知ったんです。そして、スクールカーストの下の方にオタクのコミュニティができてきて、そこへ。
でも、そこで集まっていた友達伝手に「声優グランプリ」とか、「アニラジグランプリ」とかの存在を知れたし、林原めぐみさんいいな~!とか、國府田マリ子さん可愛いなー!とか思ってましたよ(笑)

——ポジティブですね(笑)

むしろ、虐げられることによって一致団結したし、アニソンをより意識して聴き始めました。

——なんというか、オタクでも順風満帆という感じがします。仲間にも受け入れられている感じがあるというか。

いや、実はそうでもないんですよ…。

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——え? そうなんですか?

音楽に関してはアニソンにいても、ロックにいても、どこか孤独を感じていた部分はあるんです。アニソン好きには「同じオタクの癖に、カッコつけやがって」と批判されて、ロックが好きな人には「アニソンとかダセェ」と馬鹿にされて…。

——それは…地味に根深い孤独を生みそうですね…。

でも、この時の経験が、リアニへと繋がっていくんです。

 

就職、そして一人になるも、エウレカセブンとの運命的な出会い

——大学卒業後、就職されてからは充実していましたか?

いや~…そうでもなかったですね。1年目は長崎、2年目に埼玉だったんですけど、風光明媚な長崎も、半年もしたら飽きてきて(笑) アニメばかり見る生活をしてました。

——ちなみに、どんなアニメを?

大学時代の友達がネットを通じて、このアニメ絶対お前好きだから見てみろ、って教えてもらったのが当時放送してた『交響詩篇エウレカセブン』で。

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——あ~!それはもう、音楽好きにはドンピシャですよね(笑)

そうなんですよ(笑) 第1話のタイトルがニューウェイヴというジャンルで有名なアーティストNew Orderの楽曲名をオマージュした「ブルー・マンデー」で! もう、これは間違いないと(笑)

 

mixiのオフ会から全てが動き出した

——因みに関東に住まいを移されてからの日々はいかがでしたか?

いや、友達いなくて寂しかったですよ(笑)
せっかくの東京だからと色々ライブに行き始めたけど、連休は1人だし、ライブもぼっち参加でした。だから、友達が出来ないかとmixiのオフ会とか行ってみたんですけど、全然ダメで…。

——どうしてですか?

そもそも、僕はあまり人と喋るのが得意じゃないんです。コミュ障だっていう自覚もあって…。

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——そうなんですね……。

だから、自分でオフ会をやろうと思ったんです。

——ん!? ちょっと待って下さい!(笑) 今大きな飛躍がありましたよ?

いや、オフ会は当時みんなしていたし、考えた結果、幹事やれば話しかけてもらえて、友達が出来るだろうと(笑)

——発想が斜め上過ぎますよ!(笑)

いやぁ(笑) それで大好きだったエウレカのオフ会をしようとmixiで告知して。蓋を開けたら、20人の枠に40人っていう倍の応募があったんです(笑)

——うおぉぉぉー凄い!!! それにしても、そこで本当にやっちゃうのがちへさんの凄さですね(笑)

 

音楽の世界をオタク文化と出会わせて生まれたクラブイベントが「GEKKO NIGHT」

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——そうして、そこから「リアニメーション」の前身となるクラブイベント「GEKKO NIGHT」が始まるわけですね。エウレカセブンのオフ会として居酒屋で飲んで、そこから音楽をかけられる場所に行くという、新しいスタイル。

そうですね。

——でも、そもそもどうして居酒屋から出ようと思ったんですか?

いや、僕が足を運んでみたオフ会は、何故かみんな安い居酒屋か、サイゼリアだったんですよ(笑) でも、別にそのフォーマットであり続ける必要はないじゃないか、と思っていたんです。

——確かに、オフ会とか、同人イベントでの打ち上げはサイゼリアってことは実際多いですね(笑)

そうなんですよ(笑) それで、「自分がやるなら」と、2回目のオフ会の時には、60人くらいが入れて、音も出せるダイニングバーに集まって飲んだんです。そしたら、偶然誰かがエウレカのDVDを持ってきてて。せっかくだしと、48話「バレエメカニック」を流したら、セリフを全員が言えたんですよ(笑)

生きていたい、ありがとうを言うために…。
生きていたい、沢山の気持ちを送るために…。
生きていたい。気付かなきゃよかった、こんな気持ち!
エウレカセブン-第48話「バレエメカニック」より アネモネのセリフ)

もう、最高かよ!と思って(笑)

——なんですかそれ!メチャクチャ素敵じゃないですか!!!

そしたら、「これをクラブでやろう」と誰かが言いだしたのが始まりです。

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でも、最初の「GEKKO NIGHT」ってそんなにエウレカセブンの曲をフューチャーしてなくて。エウレカセブンのファンがクラブを貸し切って、DJできる人がとりあえずDJしているだけだったんです。テクノ・ハウス中心という音楽の方向性が出来ていったのは2回目からで、最初はハードコア、テクノ、アニソンがかかっている、決まりのないイベントでした。
ただ、今でも各々自由に楽しく遊べる空間は作れたと思っていますね。

 

虐げられるアニソンDJイベント

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——ただそれだけ盛り上がるイベントでも最初の頃は場所を探すのが大変だったとお聞きしました。

ええ…。「週末の深夜にアニソン流すから場所貸してくれ!」なんて言っても、当時は貸してくれるはずもなかったんですよ。
とある渋谷の箱からは「外人タレントが来るから無理」とか、「50万ならいいよ」とか言われて…。だから、「GEKKO NIGHT」はクラブと名を打ちながら、実はライブハウスでやっていたんです。

——そんな裏事情が……。そう言われてしまうのは、やはり「アニソン」だったからなんでしょうか?

うーん、それは当然ありますけど、それ以前にクラブの歴史的に日本語の歌自体を流しちゃダメだったんです。2004,5年くらいに一番かかってたのはミニマルテクノで、そもそもボーカルがない。J-POPのリミックスとかもダメなんです。

——な、なるほど…。

これは友人の話ですが、アニソンを流したら胸ぐら掴まれてブースから引きずり降ろされたりするような、そういう時代だったんです。

——ひ、ひいぃぃぃぃー…!

 

逆風に逆らって拡大するリアニの前身「GEKKO NIGHT」

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——しかし、当時のオタクたちにとって、今までの居酒屋やファミレスではなく、クラブイベントに行くのは、かなりのハードルの高さや反対意見があったんじゃないですか?

うーん、僕自身はなんとも思わなかったですけど、確かに今思えば、「みんなよく来てくれたなぁ…」とは思います(笑) 

——評判はどうだったんでしょうか?

いや、凄かったですよ! 始まる前から、クラブの前に列ができて、頭から終わりまで満員だし、みんな帰らない。マナーもとても良くて、お店の人から「また次をやってほしい!!」と、凄く感謝もされて。
「どうやらクラブ業界では前例の無い事らしい」と驚きつつ、ただ、僕らはそんなことさえ分からずに進んでいた(笑)

——それは、ちへさんが意図してやっていた訳ではないんですか?

いやいや、本当に偶然そうなったんですよ(笑)

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『GEKKO NIGHT』は、居酒屋で開催するオフ会の二次会だったから、お酒が入れば僕らオタクでも喋れるし、大きな音が鳴っていれば自然とテンションは上がる。加えて、とても良かったのは、それでいて皆が思い思いに楽しんでいたことです。それがオフ会ってものだと思いますから。

——僕たちもオフ会育ちの奴がいますし、よく分かります。

そうやって、どんどん人も集まって来た訳です。

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——クラブ業界において、「アニソン」や「オタク」への偏見が強くて風当り強い中、その快進撃は凄いですね!

ええ。正直、痛快な部分はありましたよ。オタクがヤンキーをぶっ倒す!みたいなストーリーというか(笑)

——あぁー確かに! 分かります(笑) 今考えても、オタクがクラブに出ていくという流れを作ったのは本当に凄いと思います。

先程も言ったように、僕は中学高校で、オタク友達に洋楽押し付けたって「カッコつけやがって」と非難されて、音楽好きにアニソンをオススメしたらバカにされていた
でも、SNSを通じて同じような人たちがいることが顕在化したからこそ、このイベントはできたのだと思います。
だから、「アニメと音楽、どっちも好きで良いじゃん」って肯定できる場所として作ったのが、次に続いていく「Re:animation」なんです。

 

アニメ好きも、音楽好きも、同じ場所で熱狂した。初めての「リアニ」の爆発的原体験

——規模拡大につれて「GEKKO NIGHT」は、エウレカセブンのオフ会から、音楽イベントである「Re:animation」に変わっていくと思うのですが、初めての「リアニメーション」で思い出に残っていることってありますか?

すごく印象に残ってるのは、最後のパートでガッチガチのテクノだったのが、「RHYTHM EMOTION」(『新機動戦記ガンダムW』 OP)がかかった時です。今までテクノで踊ってた人のボルテージが一気に上がった(笑) 「アニソンだあぁぁぁーーーー!!!」って(笑)

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——まさに、「キター!」って感じだったんでしょうね(笑)

数字も凄くて。Ustreamの同時視聴者数は最後の3人のDJの間に100から1000、アニソンがかかってからは2800まで一気に増えて
しかも嬉しかったのが、テクノを聞いていた人たちが、アニソンになってからも離れず、一緒に盛り上がってくれたことですね。

——それは嬉しいですね! アニメ好きも、音楽好きも、同じ場所で同じもので熱狂しているという、まさにちへさんが求めていたものというか(笑)

まさしくその通りです。その原体験を追い求めているし、今でも忘れられません。

 

規模拡大が孕む痛み そして覚悟

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——動員数が1000人を越えて、どんどん規模が拡大することに対して、ちへさんに後悔のようなものはなかったのでしょうか?

う~ん。基本的にはポジティブなことしかないんですが、あるとしたら最初の20人から始まって1000人を超えた時に、もう今までのものは出来なくなったってことですかね…。

——どういうことでしょうか?

何十人かでやって楽しいことと、1000人でやって楽しいことは違うっていうことは、みんな想像できますよね。つまり、大規模になったからには、規模感に合わせた楽しさを提供する必要があるんです。

——なるほど。当然、ライトな層も出てきますもんね…。

ええ。でも、そうすると離れていく人はいるんです。お客さんや、スタッフ、DJの入れ替わりも起きてきて、「あのイベント変わっちゃったね」なんて話も出て…。

——うわぁー…辛い…。でも、それは規模が拡大し、人気が出るに伴って必然的なことなのかもしれませんね…。

でも僕も大学時代、BUMP OF CHICKENがメジャーになって、『天体観測』を出した時は、「なんだコイツら、これがやりたかったのかよ!」って滅茶苦茶ディスった経験があるから、理解はできますよ(笑)

——ああ~! インディーズからメジャーへのあるあるですよね(笑)

そうです(笑) まぁ確かに、批判がでてくると寂しく思うこともありますよ。
けど、たくさんの人に喜んでもらえるのはやっぱり嬉しい。やるって決めている以上は、今リアニメーションに来てくれる人たちを精一杯楽しませることが一番大切だと思っています。

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——それがちへさんの覚悟なんですね。

 

批判もあった初めてのクラウドファンディング

——リアニは、3回目にしてクラウドファンディングへ踏み切るわけですが、その際に反発や不安などはありませんでしたか?

なくはないですね。アニソンDJは当時「同人」のようなもので、お金の話はしにくかったし、実際「なんで?」っていう声もありました。

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——批判もあったんですね。

そうです。でも、規模が大きくなればその分資金が必要なことは最初から分かっていましたし、不安はあったけれど、それまでやっていたメンバーからの反発もありませんでした。当時は物珍しさもあって、「やってみればいいんじゃない?」くらいの心持ちでした。

——そうしたら、その価値を信じて支援してくれる人たちがいたんですね。

ええ。そんなにうまくいくとは正直思っていませんでしたが、結果として目標金額の200%を達成できました。

——200%!? 批判はありつつも、それ以上に強烈な追い風も吹いていた訳ですね。

 

4回目まではずっと赤字

——因みになんですが、その頃のお仕事って、どうされていたんですか?

まだ言っていなかったですが、僕は当時コールセンターでサラリーマンとして働いていて。

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——コールセンター!? 何か意外です。

フルタイムで働きながら、リアニが忙しくなってきてからは上司の了解を得て、アルバイトに変えてもらい、働く時間をコントロールしてました。独立して会社を立ち上げたのは、中野のとき(リアニ6以降)です。

——その頃の「リアニメーション」は赤字が続いていたと聞きますが…。

確かに、クラウドファンディングをしても結構な額の赤字でした。でも、リアニ5の頃には赤字じゃなくなったはずです。

——そうなんですね。それでも、独立するときはやっぱり不安じゃなかったですか…?

いやいや、だって当時は趣味ですから(笑)
同人活動だって趣味で赤字のところが多いし、コミケでも壁サークルくらいにならないと黒字にはなりませんから。その頃は好きでやっていた以上、赤字は気にしてませんでした。

——お、おぉ~…! そう言われると、もうそれ以上のものはないですね(笑) 

 

次回のリアニ11は先祖帰り

——さて、そんなリアニも次回とうとう11回目を迎え、「Re:animation11」はクラブagehaで行われると聞いています。更に、リアニとは切っても切れないあの作品、劇場版『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』も来月公開されます。

ええ。ageHaでの開催が決まり、ヘッドライナーのブッキングを開始した頃に飛び込んできた大ニュースです! 正直言うと、焦りました(笑)

——あれ!? 「アゲハ構想」(エウレカセブン劇中に登場する計画)と絡めてたんじゃないんですか!?

すいません、違うんです(笑) エウレカセブン自体、10年目に何もなかったのに、12年目に劇場版、しかもHardfloorが映画の為に新曲を書きおろすなんて、想像つきませんよ(笑)

——リアニ11は奇跡が重なってますね(笑) さて、そんなリアニ11で、ちへさんは何をされようとしているんですか?

そうですね…アニソンDJだからできる空間の演出に、本気で挑もうと思っています。

——と、いいますと?

そもそもアニソンって機能的な音楽で、90秒の間に盛り上げるOPと、クールダウンするEDが、アニメの映像と相まって表現されることで、「このアニメである」という特徴が強く出る訳です。

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だから、権利処理の問題を孕みながらもアニソンDJイベントではVJ(映像を素材として繋ぎ合わせたり、その場で演出したりする人)が今かかっている楽曲に対応するアニメの映像をモニターに出すことが一般的になっています。

でも、リアニは当初からそれをせず、クラブやレイヴスタイルのVJを引用してきました。そして、前回のリアニ10から、アニメ映像を使わずにアニソンDJだからできる空間演出への挑戦を始めたんです。

——ということは、今回も新しいチャレンジに挑むわけですね!

ええ…今回agehaというクラブだからこそ出来ることをやります!

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(出典:ageHa公式サイトより)

エウレカセブン80~90年代のクラブ文化から影響を受けていると言われていて、「モーニング・グローリー」の七色雲海は当時のクラブの、濃厚なスモークやタバコの煙にレーザーや照明が当たった光景なんかがイメージされているのではないかと思います。
そして僕らもまた、その当時のクラブ文化をエウレカというフィルターを通して知り、追い求めたりもしましたが、僕たちが今体験すること自体は難しい。
でも、だったら自分たちで作ればいいじゃないか!と それを、みんなで体験したいなと思っているんです。

——おぉ~!とことん自分でやるスタイル、素敵です! さらに今回はイベントの無料化も目指されているということですが、それはどうしてですか?

無料だったら、80~90年代当時のクラブ文化に触れていた人が来てくれるかもしれないし、リアニを知らなくて、リアルタイムでエウレカも追ってなかったっていうアニメ好きの人も来てくれるかもしれない。そして、その2つの人々が合わさると、きっと凄いことが起きると思うんですよ(笑)

その結果生まれた表現や文化は、初めて日本のクラブカルチャーが世界に行ける強さになると思っています。

——うおぉー! なんだかワクワクしてきました!

 

今後の目標はリアニ「海外」!

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——最後に、今後のリアニの目標を教えていただけますか?

海外に持っていきたいと思っています。
日本で生まれたアニクラの表現は世界に通じるはずだし、既にそのカルチャーは広まりつつあって、これからどんどん大きくなっていくと思います。インドネシアでは現地の友人が日本風のアニソンDJイベントを開催しています。でも、まだまだ小さい。

——そこをリアニが拡大したいということなんですね。

ええ。そもそも、国内の音楽フェスティバルはヘッドライナーに海外のアーティストを冠することが圧倒的に多い。けど、それでは海外にはアピールできないじゃないですか。
だけど、日本発信のアニソンなら、リアニなら、きっといける。そう僕は信じている。

——僕も心からそう信じています。ちへさん、今日はありがとうございました!

ありがとうございました!


本当に感動を与えるモノは、きっと「必然」から生まれてくる。

アニメも音楽も好きだけど、どちらにも居場所のなかったちへさんだからこそ、リアニを築くことができたのだろう。そして、その根底にある輝く情熱に、人が集まり、ちへさんと同じようにアニメも音楽も好きだけど仲間を見つけられなかった人が、GEKKO NIGHTやリアニに居場所を見つけられた。

ちへさんが最後に語っていた世界進出は、きっとリアニにとって手の届く範囲にある。そして、リアニはいつか、日本のアニソンDJが「外タレ」になる、今の日本の音楽フェスのようになるのかもしれない。

その情熱の火が燃え続ける限り、きっとどこまでもみんなと一緒に行けるのだろう。 


今回、ちへさんの話を聞いて心動かされたドンクライは、一個人としてリアニメーション11を支援させていただきました。

reanimation.jp

こちらのクラウドファンディングは8/31(木)まで行われています。

現在の支援金額は1,890,500円。
目標金額は4,500,000円…残り12日!

行ってみたい! 応援したい!と思われた方は上記URLを是非チェックしてみてください!

【イベント概要】
「Re:animation 11 in ageha

▶開催日時
2017年11月22日(祝前日) 23:00-翌5:00
★重要★深夜開催のイベントの為、東京都の条例に基づき未成年者はご入場いただけません。
★注意★入場時に顔写真付きの身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等)のご提示をお願いいたします。身分証明書をご持参いただけなかった場合、ご支援いただいた方でも入場をお断りしますので、予めご了承ください。

▶開催場所
ageha
東京都江東区新木場2-2-10
TEL. 03-5534-2525
JR京葉線りんかい線 東京メトロ有楽町線 新木場駅から徒歩5分

reanimation.jp

今回の取材は、AKIBA BASE様にて行わせていただきました。

(文:カエデ@kaede06 編集:ノダショー@nodasyo03