現時刻は5月22日(月)午前1時22分。
いさか十五郎先生の新作『不条件降伏論』をKindleで読了したところ。
大学時代に付き合っていた後輩(攻)に、数年越しに再会した先輩(受)が、寄り戻すのかと思いきや、なぜか肉体関係に発展しなくてイライラしたり開き直ったりするお話です。いやー無自覚受けかわいー。執着攻めたまんねー。
この記事の締切は2日後に迫ってるし、仕事は溜まりまくり。
締切伸ばしてもらえる言い訳を必死で考えてたら、今日が『無条件降伏論』のKindle版配信日のこと思い出して、0時になった瞬間同期して読破した。
こんばんは、腐女子です。
Kindleは安くていいですよね。ってか、Renta高いですよね。
『無条件降伏論』がKindleで648円(コミックは700円税込み)なのに対し、Rentaはチケット7枚(=700円+消費税)。Rentaとか言いながらレンタル少ないし。
先行配信は魅力的ではあるけど、ちょっと我慢してKindleで100円近く安く買えるなら全然我慢できる。
別にRentaの悪口言いたい訳でも、いさか先生の作品紹介をしたい訳でもなく、ただ原稿が進まないだけです。
そこで読者に問いたい。
腐女子って生き物に、どんなイメージをお持ちですか?
池袋でキャリーバック引いてる女子?
おそ松さんのキーホルダーをカバンに着けてる女子?
まんだらけの同人誌コーナーでハムスターみたいにカサカサやってる女子?
または… ホモォ?
DON’CRYは腐女子のためだけのメディアではないので、作品の考察やCP(カップリング)プレゼンを語るのは違う。
じゃあ何が書けるだろうって腐ってる脳みそで考えたんですよ。
で、至った結論は、とある腐女子の生態解説とか、脳内分析の方が腐ってる人もそうでない人も読めるのではと。
よってしばらくは私っていう一人の腐女子について書こうと思います。
自分語りになりすぎないよう、ほどよく共感や発見があるような記事を目指します。
どうぞおてやわらかに。
自分が腐女子だと言えない。
記念すべき一本目の記事は一番とっかかりやすい「オープン腐女子問題」について書こうと思います。
最近芸人とかアイドルとか、テレビで自らを腐女子とオープンにしている方が目に付きますよね。
腐女子が彼らをどう思っているか、気になりませんか。
これはあくまで私の意見ですが、BL好きの芸人やアイドルが出てくることに、私はまったく違和感や嫌悪感といったものを抱いていません。
BLが好きなのも、音ゲーが好きなのも、競馬が好きなのも、結局こういう趣味を持ってますって言ってるだけだし、普通のことだと思います。
ただ、テレビしかり、ネットしかり、そういった人たちが前に出てくると、必ず彼らを「キモい」とか「ホモォが来るぞ!?」とか、ネタにして笑う人たちがいます。(※ホモは差別用語です)
人の趣味を笑うな、これに尽きます。
いやだってさ、
私らの趣味でお前ら実害被ったのかよ。
いいじゃないか、リバ好きだって。
いいじゃないか、三白眼に萌えたって。
いいじゃないか、スパダリが好きだって。
いいじゃないか、おっさん受けに萌えたって。
お前らだってお気に入りのAV女優だっているだろ?
見つけるとついつい借りちゃうプレイとかあんだろ?
人の趣味ディスる前に、お前のズリネタ披露してみろ!!!!!
と、啖呵切ってみたはいいけど、私も大学時代は腐女子であることを徹底して隠していました。
AKBオタク、スターウォーズオタク、音楽オタクなど、たくさんのオタクが大学にはいました。
みんなめちゃくちゃ楽しそうに自分の好きなものについて語ってて、私も語れることがあったらいいなって思いました。
けど、毎日触れてて、情報を集めてて、お金使ってるものを趣味と呼ぶなら、私の場合当てはまるのはBL。
言えない、、、ってなるわけですよ。
知られたら引かれるんじゃないか、馬鹿にされるんじゃないか、って不安でした。
垢バレしないようにpixivのハンネはイミワカラン字列だし、サブ垢は誤爆怖いから作れないし、よって好きな作家さんはフォローせずにプライベートリストに登録するしかないし、ファボもバレるからスクショするしかない。
たらればさんがファボは性癖博覧会だと言っていましたが、BLの場合は文字どおり通り性癖がバレるものだと思うんですよね。
リツイートは周囲に見せてもいい「外出用の洋服」みたいなもんだけど、「いいね」はコミケで買ってきた同人誌みたいなもんだから、そんなものまでフォロワーさんのタイムラインに表示するようになったツイッターの仕様変更は、各アカウントの性癖博覧会みたいなもんだと思ってる。つらい。
— たられば (@tarareba722) 2017年1月12日
CPを好きになるのは彼らの性格ありきですが、次に考えるのはどうやって彼らをくっつけるか。
腐女子が彼らに投影するのは自分の理想だったりするんですよね。
どんな恋愛をさせたいか(=したいか)。
その証拠に、貴重な腐女子友達から勧められる作品って、受けの性格がその子に似ていたり、ジャンルがいつもいっしょだったり、なんとなく偏りがあるんですよね。
でも、性癖披露できるほど仲良くなるのって大変じゃないですか笑
結局大学ではどんなに仲のいい後輩(女)でも言えませんでした。
リア垢で腐女子宣言できる?
ガッチガチに固めた仮面をかぶっていた私でしたが、ある人物がいとも簡単にそれを取り払ってしまいました。
その人物とは、NMB48の山本彩さん。
いきなりアイドルってどうしたって思うじゃないですか。
去年2月にツイッターで流行った「#好きな漫画当てるまで帰れま10 」にさや姉が便乗してつぶやいてたんです。
好きな漫画の頭文字を10個並べてたんですけど。
カ
— 山本彩 (@SayakaNeon) 2016年2月9日
C
フ
悪
d
是
ふ
僕
王
封
あんまり言った事ないもの出してみる。#好きな漫画当てるまで帰れま10
『王家の紋章』と『カードキャプターさくら』と『フルーツバスケット』に並んで何が入っていたと思います!?
志水ゆき先生の傑作『是-ZE-』ですよ!!!!!!!!!!!!
え大丈夫?アイドルがBL好きとか言っちゃって!?って驚き半分、心配半分ってとこでしょうか。
たしかにBLの先生のツイッターをチェックすると、さや姉がフォロー済みだったりするんですよね。
アイドルって、自分のイメージに細心の注意を払っている職業のはずじゃないですか。しかも、昨年の紅白歌合戦の人気投票で1位にも輝いた国民的アイドルとなればなおさらのはず。そのさや姉が何食わぬ顔でこんなツイートもしちゃってるんですよ!
収録でオススメのBL一冊持って来て下さいって言われたけど
— 山本彩 (@SayakaNeon) 2014年11月4日
決められへんからとりあえず色々持ってこうと思って
キャリーに詰めて持ってきたのに
キャリーを部屋に置いてきてしまった、、、
てか、そもそも一冊だけとか無理があるよ、、(´;ω;`)
もう腹くくりますよね。さや姉がオープンにしてるなら、私がオープンにしても誰も気に留めんだろと。
おかげさまで私も気にせずフォローできるようになりました。
大先生たちのイラストが流れてくるTLを眺められるなんて、尊い、、、
家族への腐バレが怖すぎる。
以上の通り、腐バレの恐怖はツイッター上ではなくなりましたが、現在進行形で悩んでいるものがあります。
それは【家族への腐バレ】。
もう死活問題ですよ。
友達には自分が腐女子であることを少しずつ打ち明けられるようにはなりましたが、家族となると話は別。
うっかり過激なイラストの本を読みながら寝落ちしてしまった日には、、、!?
立ち位置はエロ本と一緒ですから、ベットの下や本棚の奥に隠したりするんですけど、物理的な限界というものがあるんですよ。私も当初は、入らなくなっては厳選して売るというのを繰り返していました。
が、冒頭に書いたように電子書籍という便利なものがあってだな。
マジ助かってます。ありがとうkindle先生。
スマホでもPCでも読めるし、紙よりちょっと安いし、収納で困ることはまずないし、ワンクリックで買えちゃうし、お財布が軽くなってくの気がつかないし、、、
うん、ありがとう。
ただ薄い本はそうもいかない。
電子版配布してる絵師さんはまだ少ないし、まず紙にしてなんぼってとこもあるから買うしかないんですよね。
友人の腐女子は薄い本をLONG CHAMPの旅行カバンにパンパンに詰めてたら、母親に貸してと言われて隠し場所がなくて全部処分したと言っていました。世知辛い、、、
これが「薄い本が欲しいけど、親に見つかっちゃうし、隠し場所にも限界がある」という避けては通れぬ「実家腐女子あるある」です。
腐バレを恐れるがあまり犠牲になっていた作品たちを思うたびに心が痛みます、、、
かといって、家族の前でオープンになれるかといえば、「なんで家族に性癖披露するのって?」話じゃないですか。
私は絶対にできない。
腐女子は一人静かに愛でている。
ここまでオープン腐女子問題についてお話してきたわけですが、いかがだったでしょうか。
多少は他人の目を気にしつつも、多くの腐女子は一人静かに推しCPを愛でております。
まあ実際のところ、腐女子であることはオープンにしても変な目で見られたり、引かれたりすることはなくなった気がします。
それはさや姉はじめ、各所でオープンにしてくれてる同志の存在も少なからぬ影響を与えているというのが、私の見解です。
でも、さっきの実家問題みたいに、「腐女子として生きていくのって難しい」と感じる時はあります。
別に腐女子の趣味をわかってほしいわけじゃなくて、一人でこっそり楽しみたいだけなんですけどね。
みなさん、もし腐女子に出くわした際は、「ホモォ…」なんて騒がずに、どうか温かい目で見守ってください。
取り沙汰されたくない性癖があるのはお互い様です。
(ちなみにBLにハマったのは、多感すぎる中2の深夜に中村春菊『純情ロマンチカ』のアニメをたまたま見てしまったからなのですが、あの衝撃とその後の筆者の奇行と迷走についてはまた次の機会に)
(文:羽原みり@habaradesu 編集:テラいなだ)